40周年記念碑(宝篋印塔)
テーマ・設計図
実行委員会にて、
「無縁塚に供養塔を」と言った一人。
「五輪塔よりも宝篋印塔の方がそれに相応しい」と言った一人。
「自分の手で作りたい」と手を挙げ、
「素材は銘石庵治石、仕上げは小叩きで」と言った一人。
「鎌倉時代の近江式文様を再現したい」と言った一人。
「うちにある古材の基壇を使って下さい」と言った一人。
組合会員一人一人の思いが縁で結ばれ
石佛塔の制作を行った
宝篋印塔 主旨と制作・施工
宝篋印塔は、一つまみの香をこの塔の前で焚き、一本の供華をこの塔へ捧げて礼拝するだけで、過去の仏教的な罪が一切消え去って、極楽往生が約束される有り難い仏塔と云われています。私たちは記念事業として、当連合会が運営する無縁佛石供養塚に安置されている無縁佛石の供養の為に宝篋印塔を制作、建立することとしました。
材料は庵治石とし、県内の協力企業である株式会社共盛石材市場さんよりスラブ材で納入いただき、会員の平出石材工業有限会社さんでワイヤーソーにより6面切削されました。加工は会員の兼子裕司氏により制作されました。
芝台の小叩き仕上げと、基壇を始め本体の施工は青年部が担当しました。他にも多くの会員が制作・施工に携わっています。
これまで当連合会では石工技術を守り、継承していく活動を継続してきており、培われた技術を集めて会員全員が取り組み、完成することができました。
私たちは、本宝篋印塔を建立することで湖国のすべてのご先祖様の安寧、さらに未来の繁栄を願っています。





宝篋印塔の様式・形態
滋賀県は石造文化財の宝庫と云われる程、貴重な中世の石造品が多く遺されており、近江様式と云われる独特の優れた彫刻様式が施された石塔も多く現存することから、近江の石工が遺した宝篋印塔を本歌として設計を行いました。
- 高さは7尺5寸で、塔身は1尺2寸角、総小叩き仕上げ。
- 基礎は壇上積式で側面に格狭間を配し内部に近江式文様を彫刻。西面は開華蓮、南面は宝瓶三茎蓮で中心茎が開花、北面は宝瓶三茎蓮で中心茎が蕾、東面は対抗孔雀文とし、上端には複弁の反花を配している。
- 塔身では月輪内に金剛界四方仏種子を薬研堀りしている。
- 笠石は軒下2段、軒上6段。隅飾は2弧輪郭付、内部は素面でわずかに外反。
- 相輪は九輪下請花と宝珠下請花ともに覆輪付複弁を配している。
- 塔身下部に中村孝蔵会長(当時)が写経した宝篋印陀羅尼経を納めた。
- 芝台は2段で、納経のための穴を設けた。
- 基壇は地元湖西の古材で、一部加工し直して施工している。







